。 OMB生成には画面上の全ピクセル単位の速度分布を記録したテクスチャ「ベロシティマップ」(Velocity Map)が必要になる。これは,各3Dキャラクターについて,前フレームにおける各頂点の位置と現在フレームでの各頂点の位置の差分から求めた各頂点単位の速度情報を基に,視点から見たピクセル単位の速度情報を弾き出して,各αRGB16bit整数のバッファ(int16-64bit)に出力していくことで生成する。 あとは,このベロシティマップから取り出した速度情報をベースに,シーンのレンダリング結果をブレさせる加工を施せば出来上がりだ。先の2タイトルではベロシティマップを強調するプロセスを挟み込むことで,よりダイナミックなOMBを実現していたが,3DMark Vantageではそこまではやっていないようである。 ●深度フォグ(Depth Fog) フォグ,アラド戦記 RMT,つまり霧は,遠くのほうが霞んで見える,お手軽な空気遠近法の実現手段だ。 3DMark Vantageでは,ダークブラッド RMT,この空気遠近の効果を,「シーンのレンダリングを終えたあとのZバッファの内容(=深度値)を見つつ,各ピクセルについて,その深度値(=奥行き)に応じてフォグ色を強くしていくような加工処理を施す」ことで表現している。このような,深度値を見ながらのフォグ処理なので「深度フォグ」というわけだ。 ちなみに,地表などの基準高からの一定の高さまでについてフォグ処理を行う,「高さフォグ」(Height Fog)というものもある。これは,3DMark06において,水深方向の霞み表現に使われていた。 ●ボリュームフォグ(Volumetric Fog) 雲のような,ある程度の形状を持ったフォグをボリュームフォグ(Volumetric Fog)という。奥行き方向の全体的なフォグしか表現できないのが深度フォグなので,対応するようにあえて和訳するならば“立体的なフォグ”といったところか。 ボリュームフォグの表現には,フォグの密度と色を記録した,フォグの「ボリュームテクスチャ」(Volumetric Texture)を用意する。ボリュームテクスチャというのは,「表現対象の断面図」だと思えばいい。CTスキャンみたいなイメージだ。表現したい霧の形状をボリュームテクスチャとして用意しておくわけである。 あるピクセルをレンダリングするときは,まさにCTスキャンで輪切りにしたイメージになるボリュームテクスチャからフォグの濃度と色を取り出し,当該ピクセルの透明度を算出(=ライティング計算を実行)する
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